tracertコマンドを覚えよう

Webページ閲覧ができない、メールができないなどの事象が発生した場合、パソコンやインターネットにあまり詳しくないと、自分のインターネット環境が原因なのか、利用しているプロバイダなどの設備側が原因なのかの判断ができないと思います。

原因特定のために契約プロバイダのサポートセンタに電話をして確認するのが一番の近道ではありますが、自分のインターネット環境が原因であるにもかかわらず安易に電話をする人が多く、電話の混雑を誘発しており、ネットがつながらずイライラ、電話がつながらずイライラ、電話がつながればつながったでオペレーターに電話がつながらなかったことの文句を言い余計イライラ、そしてサポートしてもらったら自分の環境が原因だと言われイライラ、オペレーターの言っている意味が理解できずイライラ……ということも珍しくないのが現実です。

そんな状況におちいらないよう、最低限のネットワーク関連コマンドは覚えておきましょう。

■トレース・コマンド
ネットワーク経路を調べるコマンドにトレース・コマンドというものがあります。これは、自分のパソコンから対象設備まで、どのような経路をたどって到達するかを調べる時などに利用するコマンドです。

OS(オペレーション・システム)がWindows(98SE、Me、2000、XP)の場合、下記手順により指定先までのネットワーク経路を調べることができます。ただし、NTTのBフレッツ・プレミアムなど一部の回線や通信機器やセキュリティソフトの設定により、このコマンドが使えない場合もあるので注意してください。

以下、WindowsXPの場合を例に説明します。

1.「スタート」ボタンをクリックします。
2.「ファイル名を指定して実行」をクリックします。
3.次の画面の名前の欄に「cmd」と入力し、「OK」ボタンをクリックします。
 ※Windows(98SE、Me)の場合は「command」と入力します。
4.コマンドプロンプトという黒っぽい画面が表示されます。
5.その画面に「tracert(半角スペース){対象URL}」と入力し「Enter」キー。
 ※UNIX、Linuxの場合は、ターミナル画面で「traceroute(半角スペース)
  {対象URL}」と入力し「Enter」キーとなります。
 ※「tracert」は「トレースルート」と読みます。

★具体例(Yahoo!のページまでの経路を調べてみる場合)
 ※http://www.yahoo.co.jp/ ←対象URL

(1) tracert www.yahoo.co.jp と入力し「Enter」キーを押す。
 (注意-1)「tracert」と「www」の間に「半角スペース」があります。
 (注意-2)対象URLの「http://」と最後の「/」は省略します。
 (注意-3)対象URLは「co.jp」「ne.jp」「or.jp」「.com」までになります。

(2)tracert の結果を確認する。

【正常な結果】
※下記の「************」の部分は設備のIPアドレスという数値が表示されますが、セキュリティの観点から「************」の表記にしています。

※基本的に「Trace complete.」の文字があれば設備まで正常に通信が到達しているのでOKです。

※左側の「30 ms」の数値は設備からの反応速度ですが、4桁などの異常値でなければOKです。また、瞬間的混雑で多少数値が大きくても問題ありません。

※「Request timed out.」が経路途中であったとしても、「Trace complete.」になっていれば、その設備の設定で応答をかえさないだけなので問題ありません。

※ルーターを利用している場合、一番目に利用しているルーターのデータがでます。この例の場合は「NEC WARPSTAR」を利用していることがわかります。

 Tracing route to www.yahoo.co.jp [203.216.247.225]
 over a maximum of 30 hops:
  1 2 ms 2 ms 2 ms warpstar-07683a [192.168.0.2]
  2 18 ms 17 ms 17 ms ************
  3 19 ms 18 ms 20 ms ************
  4 30 ms 29 ms 30 ms ************
  5 27 ms 25 ms 27 ms ************
  6 27 ms 29 ms 27 ms ************
  7 30 ms 28 ms 29 ms ************
  8 28 ms 28 ms 28 ms ************
  9 29 ms 27 ms 27 ms ************
  10 25 ms 27 ms 27 ms ************
  11 * * * Request timed out.
  12 26 ms 27 ms 27 ms ************
  13 29 ms 26 ms 29 ms ************
 14 29 ms 27 ms 27 ms www.yahoo.co.jp [************]
 Trace complete.

【正常ではない結果】
※ルーターを利用している場合、自宅の設備から外に全く通信がとんでいないためWebページ閲覧やメールができなく、その原因は宅内環境になります。ルーターなどの通信機器が原因であることが多いです。

 Unable to resolve target system name www.yahoo.co.jp.

他にも別の結果がありますが、上記程度のことは知っておくとよいでしょう。

企業の自称ネットワーク管理者と呼ばれている人でも、インターネットがつながらないと、社内LANは使えているので、原因はプロバイダ側だと強く信じきってサポートセンターに苦情ぎみに申告することも少なくありません。「社内LAN」と「インターネット回線」が別物であるという認識がない部分が問題なのに。

原因を他に求める前に、自分で対処できることくらいは試してから電話相談をするようにして、サポートセンターの電話混雑の解消に協力したいものです。

よりよい PC Life の一助になれば幸いです。

<< New LaLaLaLand トップページに戻る >>

This entry was posted in PC Life エッセンス. Bookmark the permalink.

Comments are closed.