今回は、HDD(ハード・ディスク・ドライブ)に代わる次世代の高速処理が可能な記憶装置SSD(Solid State Drive=ソリッド・ステート・ドライブ)に関する素朴な疑問の解説です。
■SSDでもデフラグって必要なの?
ファイルの作成や削除を繰り返すうちに、ファイルが断片化されてくる。HDDの場合、ファイルが断片化されると性能が低下するので、定期的にデフラグを行う必要がある。しかし、SSDには物理的に動く部分がないので、断片化による性能低下は生じにくく、デフラグは不要だ。また、フラッシュメモリーには書き換え回数に制限があるため、頻繁にデフラグを行うと、逆にSSDの寿命を縮めてしまうことになる。
■SSDの寿命ってどれくらい?
フラッシュメモリーは書き換え回数に制限があり、繰り返し同じ場所にデータを書き込んでいると、記録できなくなってしまう。しかし、SDDには書き換え場所を平均化するコントローラーが搭載されており、この問題に対処している。製品によって異なるが、たとえば、Super Talent の「FTM30GK25H」の場合、50GBの書き込みを毎日行った場合の寿命は2008年現在約66年とのことだ。
■読めなくなったSSDを業者に頼んで復旧できるの?
HDDは、万一クラッシュした場合でも、クリーンルームでメディアを取り出すなどの方法で、ある程度データを復旧させることが可能であり、データ復旧サービスを行っている業者も存在する。しかし、SSDは記録原理がHDDとは異なるため、データ復旧ユーティリティーで復旧できないものは、あきらめるしかない。
■「MLC」と「SLC」で価格が異なるのはなぜ?
SSDに使われているフラッシュメモリーは「MLC」と「SLC」に大別できる。「MLC」は1つのセルに2ビット以上のデータを記録し、「SLC」は1つのセルに1ビットのデータを記録する。「MLC」のほうが容量あたりのコストが安いが、「SLC」のほうが高速で、書き換え可能回数も多い。ただし、最近では「MLC」でも「SLC」に匹敵する性能を実現した製品もある。
■パワーマネージメントの設定は?
WindowsXP や WindowsVista では、パワーマネージメント機能のひとつとして、一定時間HDDにアクセスしない場合に、HDDの電源を自動的に用意されている。ただし、SSDはHDDと異なり、モーターやヘッドなどの機械的に動く部分がないので、アクセスしていない時の消費電力は小さい。そのため、基本的にWindowsのパワーマネージメント機能を利用して、電源をオフにする必要はない。
よりよい PC Life の一助になれば幸いです。
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