「NOTICE」という言葉をご存知でしょうか。
今回解説する「NOTICE」とは、「National Operation Towards IoT Clean Environment」の略称のことになります。
来年(2020年)には東京オリンピック・パラリンピックが実施されます。それを契機に、日本国内の様々なIoT機器を標的にしたサイバー攻撃が増加するのではないかということが懸念されています。
2019年2月20日、これらの状況を考慮して、日本の総務省は、セキュリティの向上を目的とする「NOTICE」という取り組みを開始しました。
「NOTICE」は、近年あるゆるものがインターネット接続している「IoT (Internet of Thingsの略称)機器のクリーン環境に向けた国家活動」を意味する言葉の頭文字であり、同時に「通達」や「警告」を意味するものとしています。
「NOTICE」では、インターネットに接続されているルーター、ウェブカメラ(監視カメラ)、各種センサーなど「IoT機器」を主な対象にして、インターネット側から簡単に管理画面を開いて設定を変えたり、マルウエアに感染させたりできる状態になっていないかを、情報通信研究機構(NICT)が調査するとしています。また、問題ある機器の利用者に対しては、インターネット接続事業者(ISP=インターネット・サービス・プロバイダ)を通じて注意喚起を実施するとしています。
調査対象機器へのアクセスは、日本政府が主導し、法的に認められた範囲内で、プログラムを用いて自動的に実施されています。
この背景には、近年、IoT機器がサイバー攻撃に悪用される事例が後を絶たないことがあるからです。マルウエアに感染したウェブカメラ(監視カメラなど)が攻撃に悪用されたり、設定を書き換えられたルーターに接続した機器がマルウエアに感染させられたりしている事例が後をたたないからです。
セキュリティの甘いウェブカメラ(監視カメラ)などに接続して、映像をライブ配信するサイトも存在しており、日本のウェブカメラ(監視カメラ)は多数見つかっています。日本国内の駐車場、工事現場など、多数の映像を「のぞき見」できてしまうのです。これらのサイトの対象は、日本が2番目に多く、2000を超えるカメラがのぞける状態にあると言われています……つまり、それだけ、IoT機器利用者の危機意識やセキュリティ意識が低いことを証明しており、全く対策がとられていないことも意味しているのです。
ウェブカメラ(監視カメラ)などのメーカーも、サポートサイトなどを通じて、セキュリティ設定の再確認を促すなど注意を呼びかけていますが、利用者の危機意識がかなり低いため、セキュリティ対策はまだまだ十分ではないというのが現実です。
ルーターやウェブカメラ(監視カメラ)など、IoT機器を利用している場合は、NOTICEからの注意喚起を待たずに、利用機器のログイン設定や更新状況などを確認しておくことをおすすめします。
◆NOTICEに関する概要
インターネットにつながる日本国内の利用IoT機器に対して、情報通信研究機構(NICT)が接続調査を実施し、問題のある利用機器があれば、インターネット接続事業者(ISP=インターネット・サービス・プロバイダ)を経由して注意喚起を行い、利用者に設定変更などを促すとしています。
・日本の総務省の『IoT機器調査及び利用者への注意喚起の取組「NOTICE」の実施』の情報
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01cyber01_02000001_00011.html
・NOTICE公式サイト
https://notice.go.jp
日本の総務省と情報通信研究機構(NICT)は、「NOTICE」の取り組みを説明する公式サイトを開設しており、上記のサイトからも問い合わせが行えるほか、電話窓口も用意しています。
よりよい PC Life の一助になれば幸いです。
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