「オープン価格」の謎

つい最近質問されたことで気づき、時代の流れを感じたことがありました。今回は、そんな時代の流れを感じた「オープン価格の謎」についてのお話です。

電気量販店などに行くと、「オープン価格」、「オープンプライス」という表示を目にすることがあります。

この「オープン価格」というものは、価格競争の激しい製品、ライフサイクルの短い製品において適用される場合が多く、パソコンや家電製品がそれに該当します。

2012年春モデル、2012年夏モデル、2012年冬モデル、2013年春モデル……パソコンのライフサイクルは非常に短く、3~4ヶ月単位で発売されるパソコンは、次々と新しい機能が追加され、処理速度などの性能も目に見えるスピードで進化してきました。

パソコン購入を検討している人たちにとっては、どの時点でパソコンを購入すべきかわからなくなってしまうほどです。

このような状況になると、仮にパソコンの価格を企業が設定しても、3~4ヶ月後には型遅れになり、当然、値崩れを起こし、定価とかけはなれた価格で売られてしまいます。

たとえ価格を据え置いても、技術革新が速すぎるため、ニューモデルのパソコンのほうが高性能高品質、さらに低価格で提供されてしまうという現象が起きてしまいます。

そこで登場したのが、出荷時にメーカー側が販売する商品の希望小売価格を定めない「オープン価格」というものなのです。メーカ側は出荷価格のみを決定し、いくらで販売するかは全て小売店側に任せるというしくみです。メーカーがその時の状況に応じて流通業者への卸値を決め、それに小売までの各業者が適切な利益を上乗せて販売価格が決定されているという方式なのです。

この「オープン価格」は、購入予定者にとって、メーカー希望小売価格で販売した実績がないのに、そこから30%OFFと言われても……という二重価格表示を避けられるというメリットもあります。また、前述しているとおり、全ての製品が「オープン価格」ということではなく、この製品は「オープン価格」を採用していますよ~という感じであり、ライフサイクルの長い製品には「オープン価格」は適用されません。

メーカー側としては、例えば、メーカー希望小売価格10万円の製品を5万円で販売されてしまうと、安売りメーカーのイメージがつきやすく、メーカーのブランドイメージを損なう恐れがあります。しかし、「オープン価格」なら、もともとのメーカー希望小売価格が存在しないため、安売りされているというイメージがつきにくいというメリットもあるのです。

しかしながら……どうせ安く販売されるのであれば、そもそもメーカー希望小売価格をつけないという発想もあると思うのですが……謎は深まる!!

というか……こういうポップ表示をしなくなっているお店が多くなっているような感じもします。最近は、単純に「販売価格」になっていることのほうが多いように思います。

これって、時代の流れなのでしょうね。

よりよい PC Life の一助になれば幸いです。

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