【第42回】2014年、インターフェースに注目してパソコンを買う

パソコンを購入する際、自分好みの仕様に変更できたり、豊富な構成から機種選択できるので、インターネット上のパソコンメーカー直販サイトで買おう。OSは仕事で使うし、今までのソフトが動作しないと困るのでWindows 7……でも、後々は、Windows8か8.1も使いたいからWindows 8 ダウングレードによる Windows 7 Professional を選択しよう。CPUは処理速度の速いCore i7 ……など、パソコンの仕様に関しては、様々なことを考えて機種選択すると思います。

しかし、かなり重要なことなのに、パソコンに詳しい人でも、けっこう忘れられがちになってしまうのが「パソコンのインターフェース」。今回は、その「パソコンのインターフェース」についてのお話です。

余談になりますが、「インターフェース(interface)」と表記するのが最近の主流ですが、「インタフェイス」や「インターフェイス」と表記される場合もあります。コンピュータの用語集、雑誌、サイトによって表記が異なることもありますが、言葉そのものが英語なので、どの表記が正しく、どの表記が間違っているということではありません。当サイト管理人も、別記事で「インターフェイス」と書いていた時もありましたが、最近は「インターフェース」で統一しています。

◆インターフェースとは
英語の「インターフェース(interface)」という言葉は「界面、接触面、中間面」などと訳されますが、コンピュータの世界では「コンピュータと周辺機器の接続部分(ハードウェアインターフェース)」や「人間とコンピュータ間の操作手順や規則(ユーザーインターフェース)」などの意味としてつかわれます。その他に「ソフトウェアインターフェース」といったインターフェースもあります。

もう少し簡単に説明すると、「あるものとあるものの間に立って、情報のやり取りを仲立ちするもの」という意味であり、一般的には「パソコンと周辺機器を接続する時の規格や端子のこと(ハードウェアインターフェース)」を意味しています。具体的には、「PCカードスロット」、「USB2.0コネクタ」などのことで、これらがパソコン側にあれば、周辺機器と接続することができるのです。

「パソコンに何らかの周辺機器を接続する」場合、重要となる部分です。高性能なパソコンであっても、使いたい周辺機器に対応するインターフェースを搭載していなければ接続することはできません

つまり、「パソコンが、どんなインターフェースを装備しているかを把握していないと、周辺機器を購入しても、コネクタの形状があわず周辺機器を利用することができないのです。周辺機器を買って、接続する瞬間になって、はじめて自分の持っているパソコンでは利用できないということに気づくということも珍しくありません。やむなく周辺機器を返品し、接続可能な周辺機器を改めて探す……など、面倒なことにならないよう十分注意したいものです。

パソコンによっては拡張スロットを増設して、必要なインターフェースを追加することもできます。しかし、拡張スロットを使えない機種もあるので、やはり周辺機器を購入する予定があるのであれば、パソコン側に必要なインターフェースがあるのかを確認しておくことが重要になります。周辺機器と一緒にパソコンを購入する際も同様です。

デジタルカメラやDVDビデオなど、パソコンと接続して利用するデジタル機器が増えている現状を考えると、パソコンに装備されているインターフェースの情報は重要度が高いと言えます。

しかしながら、パソコンのカタログ、雑誌、メーカーの仕様解説Webページでも、なぜか大きくは紹介されていません。そのためインターフェースを気にかける人は少ないようですが、みなさんは必ずチェックしてくださいね。

特に、「モバイルノートパソコン」、「ウルトラブック」、「2 in 1 ノート」など、薄型・軽量のモバイルノートパソコンやタブレットに変形できるノートパソコンは注意が必要です。

なぜなら、薄型・軽量にするために、光学ドライブを搭載していないばかりか、各種インターフェースを必要最小限にしたり、極限までに少なくしていたり、製品固有の新型インターフェースだったり、無線化されていたりしていることが少なくないからです。

また、どうしても古い周辺機器を使わなければならない場合には、ノート型、デスクトップ型のタイプを問わず、必要なインターフェースが搭載されているかに注目してパソコンを選択する必要があります。

パソコンによって搭載されている接続インターフェースは様々です。以下は、パソコンに装備されることの多い代表的なインターフェースになります。

◆USBコネクタ
現在、最もポピュラーな接続インターフェースです。USBの正式名称は「Universal Serial Bus」です。「Universal」とは「万能の」という意味があるので、「データをなんでもやり取りできる」というイメージですね。

電源を切らずに機器を抜き差しできる「ホットプラグ」に対応し、電力もパソコンからケーブル経由で供給できるので、低電力で働く周辺機器は電源を持つ必要はありません。

USBには、いくつかのバージョンがあり、データをやり取りするスピードが違います。初期の「USB1.1」の最大転送速度は12Mbpsでしたが、2000年に策定された「USB2.0」は、最大転送速度が480Mbpsにアップしました。2008年に策定された「USB3.0」では、最大転送速度が5Gbpsと更に大幅アップし「USB3.0」ポートのある製品も多くのメーカーで販売されています。2013年8月に「USB3.1」が策定されましたが、2014年3月現在、この規格を搭載したパソコンはまだ無いか……非常に機種が限定されていると思われます。

最近のパソコンには、ほとんど「USB2.0」対応コネクタが搭載されていますが、所有している周辺機器の中には「USB1.1」対応のものもあるでしょう。しかし、バージョンが違ってもUSBは「上位互換」が可能なので、ケーブルも含めてそのまま使用できます。ただし、転送速度は低いバージョンの性能として動作することになります。使っているデジタルカメラが「USB1.1」なら、いくらパソコン側が「USB2.0」対応であっても、データ転送速度は最大でも12Mbpsまでしか出ないことになります。

ちなみに、USBコネクタは、平らなほうを「シリーズAプラグ」、四角いほうを「シリーズBプラグ」と呼びます。シリーズAはパソコン側(上流)、シリーズBは周辺機器側(下流)に使わられると定められています。

USBは汎用性が高く、キーボード、マウス、プリンタ、DVDドライブなど、利用する機会が多いインターフェースなので、パソコンを選ぶ時は、必要なUSBコネクタの数も考えておきましょう。尚、「USBハブ」を使えば、1つのUSBポートに最大127台までUSB機器を接続することが可能です。

◆ネットワーク(LAN)コネクタ
インターネットに接続する時や、複数のパソコンをつないでネットワーク(LAN)を構築する際にネットワークケーブルを挿入するコネクタです。

◆マイク端子(MIC)
外付けマイクを接続する端子。音声チャット用マイクなどに使えます。

◆ラインイン / ラインアウト端子(LINE)
ラインイン端子はレコードやカセットテープなどのアナログ音源をパソコンに取り込む際に利用します。オーディオプレイヤーのラインアウト端子とパソコンのラインイン端子をケーブルでつなぎ、録音用ソフトを使えばアナログ音源をデジタル化してパソコンに保存できます。また、ラインアウト端子は、外付けスピーカーをパソコンに接続する時にも利用します。

◆ディスプレイ用コネクタ
ディスプレイとセットでパソコンを購入する場合は気にする必要はありませんが、パソコンを単体で購入し、手持ちのディスプレイとつないで使おうと考えている場合は必ずチェックしてください。

接続するのがCRTディスプレイなら「アナログRGB(ミニD-Sub15ピン)、液晶ディスプレイなら「DVI-D」のコネクタが必要となります。

◆各種メモリカード用スロット
デジタルカメラには、「メモリースティック」、「メモリースティックDuo」、「メモリースティックPro」、「メモリースティックPRODuo」、「コンパクトフラッシュ」、「スマートメディア」、「xDピクチャーカード」、「SDメモリカード」、「MMC」と、メモリカードにはいくつもの種類があります。カードを読み込むためには専用のリーダーが必要となるので、自分が利用しているカードに対応するスロットが必要になります。

また、パソコンの中には、複数のメモリカードに対応したスロットを装備しているものもあります。「9-in-1 メディアリーダー」との表記があれば、9種類のメディアに対応していることを意味しています。

◆PCカードスロット
PCカードの差し込み口で、ほとんどのノートパソコンと一部のデスクトップパソコンについていましたが、ここ2~3年の間に、PCカードスロット非搭載のノートパソコンも珍しくないので注意してください。ちなみに、当サイト管理人がメインで使っているノートパソコンにはPCカードスロットがありません(使う必要がないので困ってはいませんが、パソコンを買って、かなり時間が経過してから気づきました)。

PCカードはクレジットカードくらいのサイズの小型周辺機器で、厚さによって、TypeⅠ、Ⅱ、Ⅲの3つのタイプがあります。現在では、TypeⅡ以外の製品はほとんど見られません。特にノートパソコンでは、PCカードを使って、購入した時点では搭載されていない様々な機能を追加することができます。

代表的なPCカードにUSB2.0、無線LAN、IEEE1394などのインターフェースカード、デジタルカメラのデータを取り込むメモリーカードアダプタ、モデムカード、外付けハードディスクなどもあります。

現在販売されているパソコンでは「CardBus」と呼ばる従来よりもデータの転送速度が上がった規格に対応していることがほとんどです。

また、ほかのカードよりも厚みが2倍あるTypeⅢに対応したスロットは、TypeⅠ、Ⅱのカードが2枚挿せるようになっているのが一般的です。

◆ExpressCardスロット
「ExpressCard」はノートパソコン向け拡張カードで、PCカードの後継規格です。2003年に標準化されました。ホットプラグ対応で、電源をいれたまま抜き差しができます

「ExpressCard」はPCカードと互換性はなく、サイズが長さ75mm、幅が34mmの「ExpressCard / 34」と、幅が54mmの「ExpressCard / 54」の2種類があります。「ExpressCard / 54」対応のカードスロットには、「ExpressCard / 34」を挿すことができます。

高速、軽量、小サイズが特長の「ExpressCard」は、将来的には主流となる規格と考えられますが、現状のPCカードがまったくすたれてしまうことも現時点では考えにくいでしょう。将来性を買うなら「ExpressCard」がついたもの、現状で満足な人は他の機能を重視してノートパソコンを選べはよいかもしれません。

◆IEEE1394端子(DV端子 / iLINK / Fire Wire)
高速シリアルインターフェースであり、「アイ・トリプルイー・イチ・サン・キュー・・ヨン」と読みます。IEEEは「The Institute of Electrical and Electronics Engineers」の略で、1963年に発足したエレクトロニクス関係の世界最大の学会である「電気電子学会」のことです。

「1394」は「電気電子学会」で定められた規格番号を指し、1995年に標準化されました。当初は、100、200、400Mbpsという転送速度を持っていましたが、後に800Mbpsに拡張されています。

この規格は、もともとアップルが開発をはじめたもので、コードネームは「Fire Wire」でした。そのためMac業界では、この規格を「Fire Wire」と呼ぶのが一般的です。ソニーでは「iLINK」という別名を自社製品に使っています。また、すでにDVカメラの外部出力端子として採用されているため「DV端子」とも呼ばれます。機器によって呼び名が異なることがありますが、いずれも「IEEE1394」を意味しています。

この規格は、USB同様、ホットプラグで接続ケーブルによる電源供給も可能です。転送速度が高速であるため、ハードディスクレコーダー、DVカメラなどのデジタル家電とコンピュータを接続する規格としてよく使われています

コネクタの形状には、電源供給が可能な6ピンと、電源供給できない4ピンがあるので、電源供給ラインによって使い分ける必要があります。パソコンが搭載している端子にも6ピンと4ピンがあるので要チェックです。

◆変わりゆくインターフェース
コンピュータ業界の技術は日進月歩なので、インターフェースも時代の流れとともに変わっていきます。

ひと昔前のパソコンでは、マウスやキーボードを接続するインターフェースには「PS/2」規格を、プリンタには「パラレルポート」を使うのが標準でした。しかし、現在では、使い勝手のよいUSBが主流となっており、「PS/2」や「パラレルポート」のインターフェースを標準搭載するパソコンはかなり減っています。

以前使っていた周辺機器を新しいパソコンで利用しようとしたら「インターフェースの違いで使えなかった」ということも珍しくありません。愛用していたものが使えなくなるのは嫌だなぁと感じるかもしれませんが、すたれていったインターフェースは転送速度が遅い、ホットプラグに対応していないなどの難点があります。パソコンを買い替える時は、過去の技術を無理に使おうとせず、思い切って新しいものへ変更することが賢い選択になのではないでしょうか。

パソコン購入の参考になれば幸いです。

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