【第43回】2014年、サポート終了後もWindowsXPを使い続ける危険性を考える

WindowsXPサポート終了までカウントダウンがはじまったので、最終記事を書いてみました。参考にしていただければ幸いです。

2014年4月9日(日本時間)、Windows XP と Office 2003 のサポートが終了します。残された時間は、この記事を書いている2014年3月30日から数えて、あと約10日。サポート終了後は、対象製品へのセキュリティ更新プログラム提供が終了となります。

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◆WindowsXP継続使用の危険性
WindowsXPのサポートが終了することは知っていても「使い続けても大丈夫じゃないの」と思っている個人が多いのが現実ではないかと思います。

企業は場合、WindowsXPを使用し続けたために発生する危険性が高いことを認識しているため、加えて、消費税が上がる前なので、新しいパソコンを買い替えているのです。WindowsXPパソコンを継続使用し、顧客情報や取引先の情報漏洩でも発生しようものなら、損害賠償の発生、企業の信用問題となり、企業の存続すら危うくなりかねません

しかしならが、個人で利用してるパソコンの場合、その意識が希薄であるため「WindowsXP継続使用の危険性」を認識している人はけっして多いとは言い難いのが現実ではないでしょうか。

◆WindowsXPのサポートとは何か
WindowsXPは、開発・発売元であるマイクロソフト社がサポートを提供しています。パソコンに詳しくない人にとっては、「マイクロソフトのサポートなんて受けていないよ」と、いまひとつピンとこないかもしれないかもしれません。

しかしながら、WindowsXPのアップデート機能が自動的に動作しており、気づかない間に、WindowsXPのセキュリティの問題点が、定期的に修正・改善されているので、私たちは安心してWindowsXPパソコンを使うことができるのです。

WindowsXPに限らず、OS(Operating System = オペレーディング・システム)には脆弱性(ぜいじゃくせい)と呼ばれる弱点が必ず存在しています。コンピュータウイルスなど悪意あるプログラムの多くは、この脆弱性を利用してパソコンに侵入し、パソコン内の情報を盗み出したり、パソコン自体を遠隔操作したりします。

この脆弱性を利用し、近年では、金銭にかかわる事件が多く、他人になりすまして、クレジットカードの不正利用、銀行からの不正送金などの事件も多発しています。

Windowsの開発・販売元であるマイクロソフト社は、脆弱性が見つかるたびに警告を出し、それを修正するプログラムをWindows アップデートを通じで提供してきました。1年間で数百件の新たな脆弱性が見つかっていると言われています。

◆2014年4月9、WindowsXPのサポートが終了すると
WindowsXPの場合、これまで年間に300件以上の脆弱性が見つかり、セキュリティ関連の更新は累計で518回にものぼると言われています。

2014年4月9日以降、WindowsXPに新たな脆弱性が見つかっても、サポートが完全終了となるため、マイクロソフト社から情報が提供されないため、WindowsXP利用者は危険が迫っていることに気づかないままになってしまうのです。

某パソコン雑誌に掲載されていた記事によると、マイクロソフト社のセキュリティ担当者のコメントとして、「WindowsXPのサポート終了後に、新たな脆弱性が見つかる確率は100%」と言い切っているほどです。

悪意ある攻撃者は、この脆弱性を見つけて、新たな攻撃をしかけてくるのです。

WindowsXPは設計が古く、セキュリティ面に弱く、他のWindowsのバージョンと比べても、悪意あるプログラムに感染する率がと突出して高いというデータが「マイクロソフト・セキュリティ・インテリジェンス・レポート」などで報告されています。

警視庁によると、2013年に発生したインターネットバンキングの不正送金による被害額は14億円を超え、被害にあった口座のほとんどは個人名義だったそうです。

金銭の被害に加えて、個人情報が盗まれる恐れもあります。メール、SNS、クラウドサービスなどのアカウントをのっとられ、「なりすまし」や「ネット詐欺」などに悪用される例もあり、事件が発生すれば信用を失います。

自分が被害にあうだけでなく、自分に「なりすました他人」が、第三者に危害を加えてしまうこともあります。

ウイルスに乗っ取られたパソコンは、遠隔操作で詐欺メールを送ったり、企業や政府機関のサーバーにサイバー攻撃を仕掛けるのに利用されたりします。WindowsXP利用者が知らないうちに、不正行為に加担することになるかもしれないのです。

そして、仮に、今後、WindowsXPの脆弱性を利用した不正行為によって金銭的な被害が広範囲に発生した場合、マイクロソフト社に対応を求める声があがったとしても、WindowsXPのサポートが終了しているため、対応はしてもらえないということになるのです。

某雑誌の記事では、これに似た事例として、「ドア鍵のピッキングによる空き巣被害」のことを紹介していました。「シリンダー鍵」でも以前までは安全だったが、「ピッキングという、シリンダー鍵の脆弱性が見つかり、空き巣被害が急増したことがありますが、この時、鍵製造メーカーに全てを取り替えろ」とはならなかったことを紹介していました。

ここで考えておきたい点としては、「WindowsXPは単純にOSであって、セキュリティ対策ソフトではない」ということです。前述のピッキング被害のように、WindowsXPを利用していて、なんらかの被害者になったとしても、マイクロソフト社に対応を依頼すること自体が間違っているのです。あくまで防衛するのはパソコンを利用者する個人の問題なのです。

◆セキュリティ対策ソフトもサポート終了を予定している
WindowsXPに脆弱性があったとしても、セキュリティ対策ソフトを使っていれば安心と思っている人も多いようですが、セキュリティ対策ソフトは脆弱性のようなOSの根本的な問題は解決できません。セキュリティ対策ソフトは、穴だらけの家(WindowsXP)の監視や対策をやることはできても、「穴だらけの家そのものを直すことはできない」のです。

加えて、WindowsXP対応のセキュリティ対策ソフト自体のサポート期間も、メーカーによって異なりますが最大2年程度で定義ファイルの提供終了を予定しています。終了期限を決めかねていて明確にしていないメーカーすらあります。セキュリティ対策ソフト自体のサポートをWindowsXPのサポート終了と同日(4/9)にし、定義ファイルのみ一定期間提供するメーカーもあります。

これは、セキュリティ対策ソフトだけでは限界であることを意味しているのです。セキュリティ対策ソフトで対応していても、根本のOSが対応してくれないとどうにもならないということなのです。

更に、各種アプリケーションソフトや周辺機器のドライバソフトも、WindowsXP用は提供されなくなっています。

WindowsXPパソコンのOSが古いこともありますが、それを搭載しているパソコン本体も古いハード構成の仕様である場合が少なくありません。

現在使っているWindowsXPパソコンに、新しいくOSを購入して、別OSにかえるという考え方もありますが、現実的に考えて、WindowsXP搭載パソコンのハードは古いので、新しいOSが動作しない場合もあることを考慮すると、新しいパソコンを購入するのが賢い選択ではないかと思います。

余談になりますが、当サイト管理人が勤務している企業の1つの支店には約1000台近くのパソコンがありますが、全てWindows7パソコンに変わりました。

パソコン購入の参考になれば幸いです。

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