【第50回】2015年、Chromebook (クロームブック)は買いか?

◆Chromebook (クロームブック)とは何か
近年、注目を浴びているノートパソコンがあります。「 Chromebook (クロームブック)」です。

Chromebook (クロームブック)とは、Google(グーグル)社が開発を主導する「Chrome OS (クロームロ・オーエス)」を搭載した低価格ノートパソコンのことです。2011年6月から海外で販売されており、2015年現在では、インターネットショップのデル、ASUSなどでも販売されています

当サイトにおいて、10年以上前から「10万円以下のノートパソコン」情報を掲載していますが、時の流れとともに技術は進歩し、参入メーカーや機種も多種多様になり、数年前頃からは、数万円程度で購入できる格安の小型携帯ノート「ネットブック」が人気を集めています。

そして、現在、海外では、それ以上に安い「Chromebook (クロームブック) 」が注目を集めているのです。古い資料になってしまいますが、NPD(アメリカ)グループの調査によれば、アメリカでは2013年1~11月のパソコン販売台数で、ノートパソコン全体の21%をChromebookが占めたという調査結果もあります。

ネットブックより安く、iPadなど人気のタブレットよりも安い製品のほか、メーカーによってはデスクトップ型の製品もあります。

◆結論は、どうなのよ?
パソコンに詳しい人、複数台パソコンなどの端末を所有している人にとっては、使用目的がはっきりしている場合に限り、購入対象製品になります。

しかしながら、パソコンやインターネットにあまり詳しくない初心者は、Windows搭載パソコンの購入をおすすめします

Chromebook (クロームブック)の購入を検討している方は、以下の解説を参考にしていただければ幸いです。

◆Chromebookの「メリット」と「デメリット」
【メリット】
・日本だと3万円台で買える。
・パソコン本体のスペックは、CPUはCeleron、Atomなどで、メモリも2GBが主流でスペックは低いものの、OSが軽快に動作し、起動もスマホやタブレットなみに速い。
・OSは4~5秒で起動できる。
・OSのライセンス料がかからない。
・タブレットよりも使いやすい。
・メールや文書編集などの作業がメインなら、アプリの機能によりオフライン保存も可能。

【デメリット】
・ほとんどの場合、インターネット回線に接続して利用することになる。
・パソコン内にはデータを保存せず、Googleドライブなどのインターネット上のクラウド・ストレージ・サービスにデータを保存することになる。
・Webブラウザ上で動作するWebアプリしか利用できない。最近は、オフラインでも一部のChromeアプリを利用できるようになっているが、その数はまだまだ少ない。
・プリンタなど周辺機器がほとんど対応していない。
・海外製品の中には、超高性能なChrome OSマシンも販売されているが、価格が10万円を超えるなど、本来の製品の提供趣旨からはずれている感があることは否定できない。それくらいのお金を出すなら、もっと低価格で高性能な、使い勝手のよいWindowsパソコンが豊富にあるからです。

「メリット」と「デメリット」……と、分けて書きましたが。

パソコンに詳しい人なのか、詳しくないのか。Webページを閲覧したり、メールしかしない人なのか。オフィス系ソフトで文書作成や事務処理をやるのか。作成したデータをパソコン内に保存しないといけないのか、クラウド上に保存していいのか……など、パソコンを利用する人の環境に依存するので、一概に「メリット」と「デメリット」と断定的には言い切れません。

以下、Chromebook情報を記しますので、理解を深める参考になれば幸いです。

◆Chromebookが低価格で提供される2つの理由
1つ目の理由は、オープンソースのOS「Linux」を基に作られているため、OSのライセンス料がかからないからです。2つ目の理由は、パソコン内にデータを記憶する装置(ストレージ)の容量が少なくて済むことがあげられます。

データを記憶する装置(ストレージ)の容量が少なくてもよいのは、ChromebookがWebブラウザ上で動作するWebアプリを使うためのパソコンだからです。Chromebookでは、Webブラウザの「Chrome」上で動作するように開発された「Chromeアプリ」だけが利用できるのです。

Chromeアプリは、基本的にデータをインターネット上のサーバーに保存する仕様なので、Chromebook本体のデータを記憶する装置(ストレージ)容量は少なくて済むのです。インターネット上のWebアプリをメインに利用するということです。Google(グーグル)社のサービスで言えば、Gmail、Googleドライブ、Googleカレンダーなどが該当になります。

当初のChrome OSは、インターネットにつながった状態でしか使えませんでしたが、現在では改良され、オフラインでも一部のChromeアプリを利用できるようになっています。

◆Chromebookの動向
211年6月頃、Chromebook製品が発売され、現在はアメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、インド、マレーシア、シンガポールなどの海外で販売されています。2014年2月には東芝のアメリカ法人も13.3型のChromebookを発売しました。その後、参入メーカーが増えつつあります。東芝の広報によれば、日本国内での発売について、「主に企業向けに販売を検討しているが、時期などは未定」とのことです。

Chromebookは「低性能のWeb接続必須ノートパソコン」と考える人もいますが、それは間違いです。Chromebookのライバルはパソコンではなく、10インチ型程度のタブレット(Wi-Fiモデル)と考えるべきでしょう。Webページ閲覧だけで、文書編集などには向かないタブレットの弱点を、Chromebookは解決してくれるからです。

◆インターネット回線なしでは使えないがタブレットよりも便利
自宅の無線LAN(Wi-Fi)環境で使うなら、クラウド前提のスタイルはスマホやタブレットと変わらないことになります。

Bluetoothキーボードとセットでタブレットを使って同じ作業をするくらいなら、Chromebookの方が快適に行えることを考えれば、容易にその便利さが想像できるのではないでしょうか(ただし、タブレット操作を意識して作られたゲームなどは別ですが)。

◆「Android (アンドロイド)」と「Chrome OS」について考える
パソコンやIT関連のことに詳しい人なら、ここで、ちょっとした疑問がわくのではないでしょうか。

それは、Google(グーグル)社は、「Android (アンドロイド)」というOSを提供しているんだから、わざわざ、なんで、「Chrome OS」というOSを新たに提供したんだろう……という素朴な疑問です。

2つのOS、「Android」と「Chrome OS」を、Google社が無料で提供するということは、研究開発費も人件費も2倍必要になります。「わざわざ、なぜ?」

ここで2つのOSを比較してみましょう。

◆Android
・対応アプリ    ※かなり豊富。
・アプリ入手先   ※Google Play
・通信機能     ※Wi-Fi(一部Cellar)
・利用場所     ※基本的に自宅内
・用途        ※Google系サービス、ゲーム、電子書籍など
・価格帯       ※2.5万円~4万円
・セールスポイント ※テレビ視聴などAV系の機能も充実してきた
・その他       ※映像系やゲームならまだタブレットが強い

◆Chrome OS
・対応アプリ    ※ブラウザ用としては豊富
・アプリ入手先   ※Chromeアップストア
・通信機能     ※Wi-Fi
・利用場所     ※自宅・職場など
・用途        ※Googleサービスの利用、教育機関での利用など
・価格帯       ※3万円前後から
・セールスポイント ※キーボード付きでオフィス文書の編集にも強い
・その他       ※ネット閲覧やメール、文書作成なら使いやすい

パソコンを頻繁に使うと言っても、Webブラウザとメールソフトさえ使えれば十分という人はかなり多いという現実があります。そんな状況をふまえて、Google社は、Googleの定番ブラウザChromeをベースにしたOSを無料提供することで、ハード製造メーカーのコストを大幅に下げ、低価格パソコンの製造を後押したとも言えます。

一方、以下のような、Google社の「したたか」な計算された企業成長戦略も見え隠れしていることも事実。

Google社が、Android というOS を、各ハードウェア製造メーカーに無料提供しているのは、Google社の企業成長戦略だからです。スマートフォンやタブレットなどモバイル分野でのGoogle社の戦略がAndroidなのです。

Google社の強みは、なんと言っても「Web検索」です。この強みをいかして企業が収益を上げるには以下が1つの方法なのです。

(1)Google社がプラットフォーム(OS+アプリ実行環境)を無料で公開する。

(2)それをできるだけ多くの端末メーカーが、スマートフォンやタブレット端末を製造、販売、コンテンツプロバイダがアプリを提供する。

(3)各メーカーは売上や収益を上げようと、インターネット上の検索にGoogle提供の「有料」の「広告」を出す

(4)Google社にお金が入り、収益が上がる。

(5)企業間競争があるので、各社は売上を上げようと、更にGoogle提供の「有料」の「広告」を出す

(6)勝手にGoogle社の収益が上がる。

大雑把な解説になりますが、「無から収益を上げる」マーケット理論に基づいたことを、自社の強みを把握して、Google社は実践しているのです。

アップル社が提供しているiOSよりも、Androidの方が圧倒的に市場占有率は高いことをご存知の方も少なくないと思います。

では、なぜ、市場占有率の高いAndroid をパソコンに搭載しないで、Chrome OSという新しいOSの提供を無料でやっているのかと言えば、その考え方は上記のAndroid戦略と全く同じであると言えます。

スマートフォンやタブレットの市場が飽和することをにらんで、スマートフォンやタブレットとノートパソコンとの中間に新たな市場を創るべくChrome OSが無償提供され、Chromebookが誕生したと言われています。

余談になりますが、Webですべて完結するサービスが提供されています。これは、クラウドに代表されるサーバー側の技術の発展もありますが、ブラウザにおいて一部のページのみを書き換えるAjax(アジャックス)の登場など、ブラウザの性能も上がってきたことにも起因しています。

◆ふたたびChromebook
今後、もっともっとブラウザの性能が向上すれば、私たちがインターネットを利用する際、Windows、Mac、Android、Chrome OS、Linuxなど、OSに関係なく、ブラウザを起動すれば、あとはクラウド上のサーバーにデータは全て保存されているので、ブラウザだけでなんでもできることになる時代が近づいているのかもしれません。

そして、このブラウザだけの世界を実現したコンセプトがGoogleのChromebookなのかもしれません。

パソコン購入の参考になれば幸いです。

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