パソコンに電源をいれると間もなく、「ピッ!」という音がします。パソコン初心者なら、「ん? そうだっけ?}と、気にもとめていないかもしれません。パソコンのことを少し知っている人なら、「それ、『ビープ音』でしょ」と、言うでしょう。しかし、その「ビープ音」に意味があることを知っている人は、必ずしも多いとは言えません。今回は、そんな「ビープ音」について解説します。
実は、パソコンというものは、起動時に 、POST(Power On Self Test の略称)と呼ばれる自己診断テストを実行し、自動的にパソコンに接続されているハードウェアの診断と初期化を行う設計になっており、診断の結果、特に異常がなければ、パソコンが起動する、という流れになっているのです。ですから、異常があれば、起動すらしなかったり、途中まで起動して電源が終了することもあります。
そして、異常がある場合、「ビープ音」が活躍します。通常、正常なパソコンを利用することが多いので、パソコン起動時の「ピッ!」という音しか知らない人も多いと思いますが、「ビープ音」は1種類だけではありません。
パソコン起動時の自己診断で異常を発見すると、異常部位や内容によって「ビープ音」のパターンが変化し、どこに異常があるかを私たちに教えてくれます。「ビープ音」のパターンとエラー内容は BIOS(バイオス)の製造元によって異なります。
下記は、多くのパソコンで利用されている「AWARD BIOS」と「AMI BIOS」の「ビープ音」のパターンとエラー内容になります。知っておくと便利なので、マメ知識として覚えておくとよいでしょう。「短」=「ピッ!」の短い音が1回、「短×2」=「ピッ!」、「ピッ!」と短い音が2回、「長」=「ピーッ!」と、少し長めの音……という意味として記します。
■AWARD BIOS の起動時ビープ音
ビープ音 |
告知内容 |
短 | 正常起動 |
短×2 | CMOS設定エラー |
長・短 | DRAMエラー |
長・短×2 | 「グラフィックボード」か「ディスプレイ」のエラー |
長・短×3 | ビデオRAMのエラー |
長・短×9 | ROMエラー |
長・長・長 | DRAMの接触不良 |
短・短・短 | 電源供給不具合 |
■AMI BIOS の起動時ビープ音
ビープ音 |
告知内容 |
短 | DRAMリフレッシュ失敗 |
短×2 | メモリーのパリティエラー |
短×3 | メモリー64kエリアのエラー |
短×4 | システムタイマーエラー |
短×5 | CPUエラー |
短×6 | キーボードエラー |
短×7 | CPU例外エラー |
短×8 | ビデオメモリーエラー |
短×9 | ROMチェックサムエラー |
短×10 | CMOSエラー |
短×11 | L2キャッシュエラー |
長・短×2 | ビデオシステムエラー |
長・短×3 | メモリーテストラー |
長・短×8 | ディスプレイテストエラー |
長×1 | POST通過 |
長×2 | POSTエラー |
これで、あなたも「ビープ音」ツーですね。
よりよい PC Life の一助になれば幸いです。
<< New LaLaLaLand トップページに戻る >>