過去記事「ノートパソコンのバッテリー寿命を延ばす方法」で、ノートパソコンのバッテリー寿命を延ばす方法について解説していますが、その続編です。重複する内容もありますが、別の視点からの解説をしたいと思います。
現在、ノートパソコンに搭載されているバッテリーの主流は「リチウムイオン」です。内容の詳しさの違いはありますが、小学校~高校の理科や化学で学習した「電気をおびた電子、イオン」の原理を利用したものが「リチウムイオンバッテリー」なのです。
多少専門的なお話になりますが、充電時は、プラス極のリチウム化合物からリチウムイオンが分離して電解液中を移動し、マイナス極の特殊カーボンに固定されます。当たり前のことですが、放電時は、この逆の流れになります。リチウムイオンがプラス極に戻り、この時に電子を放出する。この仕組みにより、パソコンに電流が供給されるのです。
しかしながら、充放電は化学反応であるがゆえに、これを繰り返することによる「劣化」は避けられません。具体的には、電解液の変質、そしてリチウムイオンと電解液の反応生成物が特殊カーボンに付着してしまい、充電時にマイナス極に格納できるリチウムイオンの数が少しずつ減少していく運命にあるのです。
バッテリーをできるだけ劣化させないためには「50%~60%充電した状態で、涼しい場所に保管しておく」のが良いというのが理論的な説明になりますが、日常的にノートパソコンを使っているわけですから、これでは現実的な説明になっていません。あくまで理論上のお話ということです。
まずは、「バッテリーは、劣化の避けられない消耗品」と割り切る意識をもつことが大切だと思います。
ノートパソコンのバッテリー寿命を延ばす現実的なポイントは、「満充電状態をできるだけ長くしないこと」と「高温状態で使用しないこと」です。
「満充電」とは、バッテリーを容量いっぱいに、つまり、フル充電した状態のことです。この状態は、マイナス極に付着する生成物が多くなります。高温状態にすると、そうした化学反応がさらに促進されます。
最も避けなければならないのが、満充電のバッテリーをつけた状態でACアダプタを利用することです。こうすると「満充電→少し放電→満充電」という、化学反応による劣化が起こりやすい状態が維持され、加えて、パソコン駆動による放熱が、バッテリーの化学反応に拍車をかけることになります。
ですから、満充電、あるいはそれに近い時は、ACアダプタをつながず、バッテリーの電力を使用するのがベターな使い方になります。また、デスクトップパソコンのように「据え置き」としてノートパソコンを使っている場合は、バッテリーを外してACアダプタのみで使うことが、バテリーの無駄な劣化を防ぐことになります。
前回の記事にも注意書きしていますが、注意したい点として、バツテリーをとりはずしACアダプターだけでノートパソコンを利用する場合は、突然の停電、宅内でブレーカーが落ちた場合、瞬時にパソコンの電源も落ちるので、重要な作業で、作りかけていた未保存のデータが消えてしまっては困るという場合は、こまめに保存操作をするか、バッテリーをセットして作業することをおすすめします。
2013年の夏もそうですが、近年は異常気象というか……地球温暖化の影響なのか、ゲリラ豪雨や雷が多発しています。そんな状況を逆手にとって考えると、雷の多い夏場だけでも、ノートパソコンは基本的にACアダプタを使用せず、バッテリーだけで使うよう心がけるのも一考かもしれません。
夏の節電、そして、落雷からノートパソコンを守る意味も含めて、2013年夏以降、ノートパソコンのACアダプタの使い方を考えてみてはいかがでしょう。
よりよい PC Life の一助になれば幸いです。
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